ごあいさつ

2024年8月16日ー18日

ハルシオンデイズー2020パンデミックバージョンー

「死にたい」と思ったことはありますか?

私は、あります。

演劇の主宰なんかをやっていたら何度も思います。(個人の見解です)


前回の公演『楽屋』を終えたあと、体調不良で倒れました。病院を何軒もまわっても原因が分からず、整体、漢方、ヒーリング、自然療法など色々試しました。そのうち起き上がることもできなくなり、激しい痛みに本気で「このままだと死ぬ」と思い、最後に連れて行って貰った病院で癌が見つかりました。言われたときに、漫画かドラマみたいだなぁとぼんやり思いながら、それでも原因が分かったことにホッとしました。

(周りは皆色々思ったかと思いますが、私は、安心したのです。)触ってハッキリ分かるくらいに大きな腫瘍がありました。最初に倒れてから2ヶ月程経過していました。

癌はステージ3でしたが、無事に手術も出来、今、生きています。

時期を前後して友達が2人、癌で旅立ちました。2人とも、いつも私の舞台を見に来てくれていました。1人はまさに私と入れ違いで、私の事も凄く心配してくれていました。

私はまだ、生きています。


私は和美のように、「死にたい」気持ちが治療で無くなるとは思いません。結局は本人の問題だと思っています。睡眠導入剤も効きません。きっと信じていないからです。

今回の『ハルシオンデイズ』をやるにあたって、信じられないくらいに沢山の事件が起きました。先週までこの公演が打てるのか中止になるのか、本気で分からないところにいました。

沢山の人の協力で、ここまで来ることが出来ました。

今日はどうも有難うございます。あなたのおかげで、私は今、ここにいます。


ごゆっくり、お楽しみください。

この作品を、幸枝さんと恭ちゃんに送ります。





2022年8月5日ー7日

楽屋

3年振りの本公演です。やっと『演劇』が出来ます。先ずは、無事に公演が出来ることに感謝します。そして関わってくださったすべての方に感謝します。

演目は二転三転して『楽屋』に決まりました。

前を見ることでしか前へは進めない。先ずはその一歩から。何を決めるのも自分。自分が自分を信じてあげる事。多くの人に支えられ、この場所に立ち続けられています。本当に有難う。素敵な仲間たちと作り上げた舞台、楽しんで戴ければ幸いです。




2021年8月21日・22日

葵上

本日はご来場有難う御座います。

文明の発達した現在でも、呪いや霊などは実在するらしい。

私はまるで霊感の類いが無いので分からないのだが、現実に生霊に会ったと言う知人がいて話を聞いた。

幸い、呪いや恨みの負の感情ではなく、死ぬ前に会いに来た、と言うような、ほんのり心温まるような(?)生霊で、それはそうとしても、実際に思念が飛んで実体化する=霊と言うと少し背筋が寒くなる。

テレビや漫画の世界だけだと思っていた『祓い屋』という職業も実際にあることを知って驚いた。世の中には知らないことが沢山ある。

葵上は分かりやすい恋愛話だ。源氏物語と、能、三島の葵上、この中で、能だけが所謂ハッピーエンドで終わるのだが、これは能は宗教儀礼から起こってきたもので、迷える魂の救済、供養、鎮魂の意が込められているからとの見解がある。また、能では題名にある葵上は登場しないのも見所。この作品の主人公は、六条なのだ。

源氏物語では、光源氏は葵上を見捨てないのだが、三島の作品では見捨ててしまう。この辺りが実に人間的で面白いと私は思う。

真夏の怪談話、ごゆっくりお楽しみください。



2020年8月22日・23日

班女


『待つということ』

人生に置いて、待っていて良かったことは恐らく無い。

待っていても何一つ良いことは無かった。

だから私は金輪際待つのはやめようと思った。

それでも、心のどこかで待ってしまう自分がいる。

「待つ」と言うのは「信じる」に似ている。

私は信じるのをやめようと思った。

それでも心のどこかで信じてしまう自分がいる。


本日は有難う御座います。ごゆっくりお楽しみください。



2019年10月2日ー6日  劇場MOMO

恋愛戯曲


やりたいことをやる

簡単なようで、簡単では無いようで、でも本当は難しくは無いのかもしれない。

何かをやるときに「これやりたい!」と言うエネルギーだけで突っ走れたら、簡単なのかもしれない。つい、色んな起きてもいない心配事を考えて二の足を踏んでしまう。実際行動に移せることは多くないんじゃないかな、と思う。

やりたいことをやるには、一番やりたくないことをやることになる。人に頼って、お願いして、迷惑をかけまくってやるんだ。その覚悟を出来るかどうか。そんなに難しく考えることじゃないんだろうけれど。


恋愛戯曲。恋愛。正直、私には良く分からないもののひとつ。それでも、もう一度何かを好きだと言ってもいいかな、と思える事があって、再びこの本を開きました。私の好きな言葉が沢山ある戯曲です。向井の出した答えが私の答えでは無いけれど、恋愛っていいなって少しでも思って貰えたら、幸いです。